
I went to ABC building yesterday.
(昨日新しくできたABCビルに行ってきたんですよ)
こんな風に言われたら
- 洋服を買うために行ったの?
- 食事をするために行ったの?
- 仕事の打ち合わせをするために行ったの?
と詳細が聞きたくなりますよね。このように「行ってきた」の内容をさらに詳しく説明する用法を「副詞句」と言います。
英語の副詞句はたった3つの使い方を覚えるだけ!今回は元英会話講師の私が、副詞句の勉強法や間違えやすいポイントを分かりやすくまとめました。
副詞句が理解できるようになると、伝えたい情報を詳しく相手に伝えることができますよ。10分ほどで読めますので、英語学習中の方はぜひ最後までご覧ください。
本記事で分かること
・英語の副詞句とは?
・副詞句の勉強法3つ
・副詞句の間違いやすいポイント
・副詞句に関するQ&A!
英語の副詞句とは?
英語の副詞句とは、動詞や形容詞、副詞を修飾する2語以上のまとまりのこと。副詞句を理解するためには、まず「句・節の違い」を押さえておきましょう。
句=主語と動詞のない2語以上のまとまり
節=主語と動詞のある2語以上のまとまり
今回学習するのは「副詞句」ですので、主語と動詞のない2語以上のまとまりになります。
ここでは、副詞句の概要と例文をみていきましょう。
副詞句の概要
副詞句とは動詞や形容詞、副詞を修飾する2語以上のまとまりのこと。副詞句には下記の3種類があります。
- 前置詞+名詞
- 不定詞の副詞的用法
- 分詞構文
それぞれの概要は下記の表の通り。
種類 | 例文 | 特徴 |
前置詞+名詞 | They had dinner at the restaurant. (彼らはレストランで夕食をとった) |
「at the restaurant」が「前置詞+名詞」となっていて「had」という動詞を修飾している |
不定詞の副詞的用法 | I went to the library with my friend to study Math. (わたしは数学を勉強するために友だちと一緒に図書館へ行った) |
「to study Math」が動詞である「went」を修飾 |
分詞構文 | Arriving at the station, she saw him. (彼女は駅に着いた時に、彼に会った) |
現在分詞で作られた分詞構文「Arriving at the station」が、動詞である「saw」を修飾 |

不定詞には「副詞的用法」の他にも「名詞的用法」「形容詞的用法」がありましたね。不定詞について復習したい方は下記の記事をご覧ください。




分詞構文は
- 接続詞を消す
- 主節の主語と従属節の主語を比較して、同じならば従属節の主語を消す
- 動詞をVing(現在分詞)にする
という方法で作られる構文です。分詞構文については下記の記事でまとめました。

副詞句の例文
ここでは副詞句の例文をご紹介します。目で追うだけでなく、口に出して例文に触れてみましょう。
He stopped in front of the door.
(彼はドアの前で立ち止まった)
He studied hard to be a doctor.
(彼は医者になるために一生懸命勉強をした)
Raining in the morning, I brought an umbrella with me.
(朝雨が降っていたので、わたしは傘を持って行った)
Seen from the distance, this sight is beautiful.
(遠くから見ると、この景色は美しい)
I am so happy to see you.
(わたしはあなたに会えてうれしい)
Jane are so powerful to say back to her boss.
(上司に言い返せるなんて、ジェーンはとてもパワフルだ)
Not knowing what to do, I helped her.
(何をすべきかわからなかったが、わたしは彼女を手伝った)
副詞句の勉強法3つ
副詞句は名詞句や形容詞句よりも習得が難しく、多くの人が挫折してしまうポイントでもあります。
副詞句を理解するには下記の3つのステップで行うのがおすすめです。
副詞句の勉強法3つ
・副詞の役割を理解する
・例文を通して訳し方を理解する
・ライティングやスピーキングのトレーニングをする
ここでは副詞句の勉強法についてみていきましょう。
副詞の役割を理解する
1つ目のステップは「副詞の役割を理解する」です。
副詞は動詞、形容詞、副詞を修飾します。副詞句も同様の役割をしますが、修飾する対象が多いため、登場回数が多くなりますので、訳し方をしっかりと押さえるようにしましょう。
文型との兼ね合いもポイント。副詞/副詞句/副詞節は、文中で、修飾語句(M)になります。
文型は第1文型から第5文型まで。
- SV 主語 (S) と 動詞 (V)
- SVC 主語 (S) と 動詞 (V)と補語(C)
- SVO 主語 (S) と 動詞 (V)と目的語(O)
- SVOO 主語 (S) と 動詞 (V)と目的語(O)2つ
- SVOC 主語 (S) と 動詞 (V)と目的語(O)と補語(C)
さらに、ここに修飾語句(M)が加わると1文が長くなります。この「M」は「副詞、副詞句、副詞節」のことですので、登場回数が増えるという訳ですね。
例文を通して訳し方を理解する
副詞について理解ができたら、次は例文を訳していきましょう。副詞句は多様ですので、訳し方も必然的に多くなります。
多くの例文に触れる際には、目で見るだけでなく、耳で聞く作業も有効です。耳で聞く際は英語を英語の語順のまま理解できるようにしましょう。
例えば以下の日本語と英語を比べてみてください。
(日本語)友達がわざわざフィリピンから会いに来てくれた
(英語)My friend came to see me all the way from the Philippines.
日本語では「会いに来てくれた」という動詞が最後に来ているのに対し、英語では主語のすぐ後ろに来ていますね。今度は副詞句の位置を比べてみましょう。
(日本語)友達がわざわざフィリピンから会いに来てくれた
(英語)My friend came to see me all the way from the Philippines.
日本語の場合、副詞(句)は動詞の前に置かれます。一方英語では副詞句は動詞の後ろに置かれていますね。
そのため英語を聞いた場合は「友達が来た/私に/わざわざ」というように「動詞→副詞句」と聞いて意味を理解する必要がありますので、覚えておきましょう。
ライティングやスピーキングのトレーニングをする
ライティングやスピーキングといったアウトプットのトレーニングをするのが、3つ目のステップ。多くの例文に触れたら、自力で英文を書いたり話したりしてみましょう。
ざっくりとしたイメージですが、英語は後ろにいくに従って情報が付け加えられていきます。
I’m happy to hear that you could promote to the new position for your company.
私は嬉しい
→それを聞いて
→あなたが昇進した
→新しいポジションへ
→あなたの会社で
リーズナブルな価格で英会話をしたい方は、オンライン英会話がおすすめ。下記の記事では料金が安いオンライン英会話について解説しています。

副詞句の間違いやすいポイント
副詞句の勉強で注意すべきポイントは「形容詞句との違い」です。結論から申し上げると、何を修飾するかで「副詞句」なのか「形容詞句」なのかを判断できます。
名詞以外のもの(動詞・形容詞・副詞)を修飾→副詞句
名詞を修飾→形容詞句
形容詞句の例としては
- 不定詞の形容詞的用法
- 分詞
が挙げられます。
余談ですが、こんなジョークもありますね。

Can I try on that t-shirt in the window?
もし「in the window」が「t-shirt」を修飾していると捉える(形容詞句)なら訳は
「ショーウィンドウの中のTシャツを試着しても良いですか?」
となります。一方「in the window」が「try on」を修飾している(副詞句)なら訳は
「ショーウィンドウの中でTシャツを着替えても良いですか?」
となってしまうのです。
このジョークからしても、形容詞句や副詞句が何を修飾しているのか正しく捉えることの大切さが分かりますね。
副詞句に関するQ&A!
ここでは副詞句に関するよくある質問に答えていきます。
質問 不定詞の副詞的用法の訳し方が知りたいです
副詞的用法の訳し方には、目的(~するために)、原因・理由(~して)、結果(~してその結果…)、判断の根拠(~なんて…だ)があります。例えば
I am so happy to see you.
(わたしはあなたに会えてうれしい)原因・理由
Jane are so powerful to work out everyday.
(毎日働けるなんてジェーンはとてもパワフルだ)判断の根拠
などがありますね。
質問 過去分詞から始まる分詞構文とは何ですか?
分詞構文の文章は原則的には現在分詞を使いますが、例外的に過去分詞から始まる分詞構文が存在します。具体的には「being, having been」が省略されるケースで、過去分詞の分詞構文となります。
たとえば、
Because this book is written simple English, this book is easy to understand.
(この本は簡単な英語で書かれているので、容易に理解することができる)
を分詞構文にすると、
Written in simple English, this book is easy to understand.
となります。「Written」は前に「being」が入りますが、それが省略され「written」のみが残った形となります。
質問 副詞と副詞句の違いが分かりません
副詞句と比べ、副詞は1語のものを言います。語尾にlyが付くものが多いのが特徴です。
副詞には
- early(早く)
- fast(速く)
- quickly(すばやく)
などが挙げられます。
質問 「群前置詞」とは何ですか?
群前置詞とは2語以上の語で前置詞の役割を果たす語のことです。
例えば、
He stopped in front of the door.
(彼はドアの前で立ち止まった。)
の「in front of」は1つのまとまりとして前置詞と同様の働きをし、直後には名詞が来ています。
群前置詞には他にも
- for the sake of(〜の目的で)
- on top of(〜の上で)
- by way of(〜経由で)
など、さまざまな種類があります。
副詞句をしっかり習得しよう!
今回は英語の副詞句についてご紹介しました。
副詞は修飾できるものが多いため、副詞句も登場回数が必然的に多くなります。
副詞句がマスターできると、言いたいことを詳細に伝えられるだけでなく、情報が詰め込まれた英文を聞き取って理解できるようになりますよ。
ぜひ本記事を参考に副詞句を効率的に習得してください!