形容詞とは名詞を修飾する言葉。「楽しいパーティー」の「楽しい」は「パーティー」という名詞を修飾する形容詞ですね。
実は「to+動詞の原形」で表すことのできる不定詞にも形容詞的用法という用法があります。不定詞の形容詞的用法は、その名の通り名詞(句)を修飾する用法で、英会話でも非常によく使われる表現です。
そこで今回は元英会話講師の私が、不定詞の形容詞的用法についてまとめました。これから不定詞を学習する方も、不定詞の形容詞的用法をもう一度復習しておきたい方も、ぜひ最後までご覧ください。
本記事で分かること
・不定詞 形容詞的用法とは?
・不定詞 形容詞的用法の勉強法3つ
・不定詞 形容詞的用法の間違いやすいポイント
・不定詞 形容詞的用法に関するQ&A!
不定詞 形容詞的用法とは?
不定詞には名詞詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3つがあります。

不定詞は「to+動詞の原形」で表されるので、動詞と勘違いしてしまう方が多いですが、不定詞は動詞ではありません。不定詞のように動詞にtoやingがついたものは「準動詞」と呼ばれています。
ここでは、そんな不定詞の形容詞的用法に焦点を当て、概要と例文についてみていきましょう。
不定詞 形容詞的用法の概要
不定詞の形容詞的用法は「to+動詞の原形」で表され「~するための、~すべき」という意味です。形容詞的用法は「釣りをする時間」のように、名詞を修飾する役割をします。

形容詞とは「美しい」「楽しい」など日本語で「~い」で終わるものを言い、名詞を修飾するという特徴がありますね。
例えば
Please give me something to eat.
という英文では「わたしに何か食べるためのもの(食べもの)をください」というように「何か」を「食べるための」という不定詞が修飾しています。
「something to〜」の形は
something to drink(何か飲むもの)
something to write(何か書くもの)
something to wear(何か着るもの)
など、さまざまな形で使うことのできる形容詞的用法の不定詞ですので、覚えておきましょう!
不定詞 形容詞的用法の例文
ここでは不定詞 形容詞的用法の例文を7つご紹介します。まずは文中から名詞を探し、不定詞がどのように修飾しているのか確認してみましょう。
There are many things to see in the city.
(この街には見るべき多くのものがある)
Please bring someone to fix my PC.
(わたしのPCを直す人を連れてきてください)
Do you have something to eat?
(あなたは食べ物を持っていますか?)
I need a bigger apartment to live in.
(わたしは住むための大きなアパートを必要としている)
She made a decision to quit her company.
(彼女は会社を辞める決断をした)
There are many places to visit in Kyoto.
(京都には訪れるべき多くの場所がある)
He has no time to watch TV.
(彼にはテレビを見る時間がない)
不定詞 形容詞的用法の勉強法2つ
不定詞の形容詞的用法は内容を理解すること自体は、そんなに難しくありません。
ただし、耳で聞いて理解したり、英会話で使いこなすとなると、多くの例文に触れトレーニングをしていく必要があります。
不定詞 形容詞的用法をマスターするには、下記の勉強法を実践してみましょう。
不定詞 形容詞的用法の勉強法
・形容詞の役割を理解する
・問題集で問題を解く
ここでは、不定詞の形容詞的用法を効率的に習得するための勉強法について解説します。
形容詞の役割を理解する
不定詞の形容詞的用法は、形容詞の役割を果たす不定詞です。では、そもそも形容詞とは何なのか?この機会にきちんと理解しておきましょう。
形容詞の働きは大きく分けて2つ、細かく分けると4つに分けられます。
ー前置修飾
ー後置修飾
ー主格補語
ー目的格補語
例えば
a big apple
は形容詞「big」が名詞「apple」を前置修飾しています。

「big」という形容詞が「apple」という名詞の前にありますね。
また不定詞でみてみると、
something to eat
は形容詞的用法の不定詞「to eat」が「something」を後置修飾していることが分かります。

今度は「to eat」という形容詞用法の不定詞が「something」という名詞の後ろにありますね。
さらに少し難しいのですが、
I am happy.
では補語である「happy」が主語の「I」を実質的に修飾していますので「主格補語」と呼ばれます。
*補語とはbe動詞を挟んで主語とイコールになるものだと理解しましょう。ここでは「I=happy」ですね。
最後に
He made me happy.
は補語である「happy」が目的語である「me」を実質的に修飾していますので「目的格補語」となります。
言葉が難しいのですが、

形容詞には4パターンある!
と覚えておくだけで、不定詞だけでなく分詞など他の英文法の理解もしやすくなりますよ。せっかくなので、不定詞 形容詞的用法の学習をする際にマスターしてしまいましょう。
問題集で問題を解く
形容詞の役割について理解できたら、問題集で不定詞 形容詞的用法の問題を解いてみてください。問題には
- 穴埋め問題
- 和訳問題
- 並び替え問題
などがありますが、それぞれの問題をバランスよく解くことが大切です。
不定詞 形容詞的用法の間違いやすいポイント
不定詞の形容詞的用法には前置詞が文の最後につくパターンがあります。この使い方は慣れていない人が多く、最後に前置詞をつけ忘れてしまう人が多いので注意しましょう。
たとえば「私は(書くための)ペンが必要だ」という文章の場合、
I need a pen to write with.
となります。ここでの「with」は「道具・材料」を表す役割があり「物を書くために必要だ」という目的を表しています。
I need a pen to write.
だけだと意味は分かりますが、やや不自然。あえて言えば「I need a pen to write」だと
- ペンを使ってツボ押しをする?
- ペンを小道具に演技をする?
というように、ペンを使うための用途がハッキリしません。

Do you have a pen? Mine is run out of ink.
(ペン持ってる?私のはインクがなくて)

Yes. Here.(あるよ、はい)

Your pen doesn’t work either. I need a pen to write with!
(あなたのペンもインクないじゃない!書けるペンが必要なの!)
上の例のように「with」をつけることで「書くための」(ペンなら「インクがある」)ということを表現することができます。
不定詞の形容詞的用法を使うときは、後ろにつく前置詞を忘れないようにしましょう。

ちなみに
「I need something to write on」なら「書くための用紙が必要」
「I need something to write about」なら「書くための情報が必要」
という意味になりますね。
不定詞 形容詞的用法に関するQ&A!
ここでは不定詞 形容詞的用法に関するよくある質問に答えていきます。
質問 不定詞の形容詞的用法の文に形容詞を入れる場合、どこに入りますか?
不定詞の文に形容詞を入れる場合は、toの前に形容詞を入れます。例えば
Do you have something to drink?
(あなたは飲み物を持っていますか?)
に「cold(冷たい)」という形容詞を入れる場合は
Do you have something cold to drink?
(あなたは冷たい飲み物を持っていますか?)
となります。
不定詞の形容詞的用法と副詞的用法の見分け方はありますか?
- 不定詞の部分が名詞を修飾している場合、形容詞的用法
- 不定詞の部分が名詞以外を修飾している場合、副詞的用法
となります。例えば
Do you have something to wipe with?
(何か拭くもの持ってる?)
は不定詞が「something」という名詞を修飾していますので名詞的用法です。一方、
I worked out to run a marathon.
(マラソン大会に参加するために、トレーニングをした)
という文章の場合は不定詞が「worked out」という動詞を修飾していますので、副詞的用法になりますね。
質問 the last〜to…とはどのような意味ですか?
「the last〜to…」は「〜は…する最後の人/ものだ」という意味。理解するのが難しい不定詞の慣用句の一つです。例えば
He is the last person to tell a lie.
は「彼が嘘をつくはずがない」となります。
考え方としては
→彼が嘘をつく可能性は非常に低い
→彼が嘘をつくはずがない
となります。他にも
She is the last person to be a litterbug.
(彼女がポイ捨てなんてするはずない)
*litterbug=ポイ捨てをする人
など、いろいろな表現ができますね。
不定詞 形容詞的用法をしっかり習得しよう!
今回は不定詞の形容詞的用法について解説しました。
不定詞の形容詞的用法の訳し方は「~するための、~すべき」とシンプル。本記事でも紹介しましたが、前置詞をつける場合など、間違いやすいポイントもありますので注意しましょう。
ぜひ本記事を参考に不定詞の形容詞的用法のトレーニングを行なってくだささいね。