「電話があった時すでに夕飯を食べおいていた」このように過去のとある時点から、過去のとある時点まで起きていたことを表す英文法を「過去完了形」と言います。
過去完了形は形こそシンプルですが、本当に使いこなすのが難しく、英会話でもほとんど使わない表現となっています。しかし過去完了形はテストなどでも頻出の英文法。ぜひしっかり理解しておきたいところです。
そこで今回は元英会話講師の私が、過去完了形についてまとめました。過去完了形の例文や間違えやすいポイントについても解説しますので、英語表現を増やしたい方はぜひ参考にしてくださいね。
本記事で分かること
・過去完了形とは?
・過去完了形の勉強法3つ
・過去完了形の間違いやすいポイント
・過去完了形に関するQ&A!
過去完了形とは?
過去完了形とは、過去のある時点を起点にして、その時点から今までの経験や継続する行為、状態を表す表現です。
意味は現在完了形と同じく「完了」「継続」「経験」の3つがあります。
過去完了形をしっかりと理解することにより、その応用である過去完了進行形や、未来完了形もすんなりと理解できるようになりますので、ここでしっかりと勉強しましょう。
ここでは、過去完了形の概要と例文をご紹介します。
過去完了形の概要
過去完了形の形は「had+過去分詞」です。過去分詞は一般的に「原形-過去形-過去分詞形」という形でセットで覚えていきます。たとえば、
make-made-made(原形-過去形-過去分詞形)
talk-talked-talked(原形-過去形-過去分詞形)
といった形です。
原形と過去形とが同じになるものも多いですが、不規則に変化するものもかなりあります。一般的な参考書は問題集の末尾に載っている一覧表を使って覚えていきましょう。
もう一つのポイントは、過去完了形は過去形とセットでよく使われるということ。例えば
(君がそれに言及するまで、私は何も知らなかった)
という感じです。

「had known」が過去完了形「you mentioned」が過去形ですね。
過去完了形の例文
ここでは過去完了形の例文をご紹介します。読んでみると分かるように、過去完了形が使えるようになると、日記などの表現が大きく広がるのが分かるでしょう。
He had lived in this city for 3 years when he was 12 years old.
(彼は12歳のときこの市にすでに3年間住んでいた)
She had already finished her homework.
(彼女はすでに宿題を終えていました)
Had they visited the park when they were college students?.
(彼らが大学生だった時、その公園を訪れていましたか?)
Had Tom eaten lunch ?
(トムはすでに昼食を食べましたか?)
I had been there when I was a university student.
(わたしは大学生の時にそこに行ったことがあった)
Miki hadn’t had a dinner.
(ミキは夕食を食べていなかった)
We had been 10 years old till last month.
(わたしたちは先月まで10歳だった)
過去完了形の勉強法3つ
過去完了形は過去分詞を作るのが難しく、表現に慣れるのに時間がかかるかも知れません。そこでおすすめなのが下記の3つの勉強法です。
過去完了形の勉強法
・過去分詞形を覚える
・意味の使い分けを理解する
・訳し分けの手がかりとなる表現を覚える
ここでは、過去完了形の勉強法について解説します。
過去分詞形を覚える
過去完了形をマスターするためには、まずは動詞の過去分詞形を覚えましょう。
過去完了形は、現在完了形のように主語に応じてhave,hasの使い分けをする必要はありませんが、過去分詞形をしっかりと覚えて正確に書けるようにしなければなりません。

例えば現在完了形の場合は
She has edited articles.(彼女は記事をすでに編集している)
というように主語によってhaveとhasを使い分ける必要がありました。
過去分詞の形を覚えれば、
- 現在完了形
- 未来完了形
- 受動態
- 分詞
といった分野で役立てることができます。暗記は大変ですが、声に出す、書いて覚えるなど、五感をフル活用して頭に入れていきましょう!
意味の使い分けを理解する
過去完了形の意味の使い分けを覚えることも大切です。
過去完了形には、現在完了形と同じく「経験、継続、完了・結果」という訳し方があります。訳す際には、どれにあたるかを意識して訳すようにしましょう。

現在完了形については下記の記事でまとめました。

コツは「英語→日本語翻訳」だけでなく「日本語→英語翻訳」も取り組むこと。英語を日本語にするよりも、日本語を英語にすることの方がずっと難しいです。
日英作文をすることは、英会話の時に頭の中で英文を組み立てるのと同じ。脳に負荷がかかる良いトレーニングになりますので、1日5つなど数を決めて取り組んでみてください。
訳し分けの手がかりとなる表現を覚える
過去完了形の訳し分けをする際のヒントとして、単語や副詞句などの表現に着目することが有効です。
先述の通り、過去完了形には
- 経験(~したことがあった)
- 継続(~してきていた)
- 完了・結果(~してしまっていた)
という訳があります。
経験用法では、
twice(2回)、three times(3回)
など、回数を表す表現と主に用いられます。
継続用法は、
for(~から)、until,till(~までずっと)
といった期間を表す表現と共に使われます。
完了・結果用法では、
already(すでに~)
などの行為の完了を示すものと一緒に使われます。
時間に関する表現はほかにも多数あり、多くの例文に触れながら理解をしていくことが有効です。自力で英文を作れるようになるためにも、使い分け、訳し分けを覚えていきましょう。
過去完了形の間違いやすいポイント
過去完了形の間違えやすいポイントは「過去形との使い分け」です。
過去形は、過去のある時点での動作や状態を表す表現。対して過去完了形は過去のある時点を起点にして、その時点から過去のある地点までの経験や継続する行為、状態を表す表現です。
例えば
I lived in this city.
は過去形で「わたしはこの市に住んでいた」ですが、
I had lived in this city for 3 years when he was 12 years old.
は過去完了形で「わたしは12歳のときこの市にすでに3年間住んでいた。」となり、12歳という過去のある時点を起点にして、その前までの継続的な行為を表しています。
また、過去完了形と現在完了形との違いも意識しましょう。
現在完了形は、現在を起点にして、今までの経験や継続する行為、状態を表す表現。現在完了形は現在を、過去完了形は過去のある時点を起点としている点が異なります。
たとえば、
I have lived in this city since 2000.
は現在完了形で「わたしは2000年からこの市に住んでいる」となり、現在を起点として2000年から住んでいるという継続的な行為を表しているのに対し、
I had lived in this city for 3 years when he was 12 years old.
は12歳という過去のある時点を起点にして、その前までの継続的な行為を表しています。

いつを起点にしたものなのかという意識が不可欠ですので、しっかりと理解をしましょう!
過去完了形に関するQ&A!
ここでは過去完了形に関するQ&Aをみていきましょう。
質問 否定文の作り方がわかりません
否定文の作り方は簡単です。hadの後ろにnotをつけることで解決します。たとえば、
(彼女は宿題を終えていた)
であれば、
(彼女は宿題を終えていなかった)
となります。
質問 疑問文の作り方がわかりません
疑問文の作り方もシンプル。hadを先頭に持ってきて、クエスチョンマークをつけることで完成します。たとえば、
(彼女は宿題を終えていた)
は、
(彼女は宿題を終えていましたか?)
となります。
質問 agoとbeforeの使い分けがわかりません
agoとbeforeは非常に似た表現。試験問題としてもよく出題されます。

どちらも「~前に」という意味を表しますので、どちらで使うのか悩ましいところですよね。
結論としては、agoは過去形でのみ、beforeは過去完了形でのみ使うことができます。
たとえば、
(私は3日前に図書館に行った)
(トムはその国を3年前に訪れていた)
という形で使い分けます。
過去完了形をしっかり習得しよう!
今回は英語の過去完了形について解説しました。
過去完了形は、訳し方も複数あり、過去形や現在完了形との違いなど、はじめは理解することが難しい分野。間違えやすいポイントが多いため、資格試験にも多く出題されます。
ぜひ本記事を参考に過去分詞形をしっかりと暗記して、多くの英文を書けるよう力をつけていきましょう。