英語の冠詞とは?例文&間違えやすいポイントも

英文法
この記事を書いた人
りこ

英会話講師として7年間勤務し、0歳から80歳まで200人以上の生徒を担当。現在はフリーライターとして、英語学習に関する記事を執筆したり、英語を使って海外のコンテンツ制作会社と一緒に仕事をしています。

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本記事は

「a」「an」「the」の違いが分かりません!

という英語学習中の方に向けて書いていきます。

そもそも「なぜ英語には冠詞をつけるの?」と気になる方もいるかもしれませんが、英語の冠詞は意外と歴史が浅く、中世以降から広く使われるようになったと言われているんですよ。

英語では冠詞をつけることで

  • 1つなのか?
  • 複数なのか?
  • 特定の「もの」なのか?

を表します。ちなみに日本語に冠詞はありませんが、日本語の場合は助詞が英語の冠詞のような役割を果たしていますね。

(例)そのりんご美味しかった
→「も」を使うことで、りんごが複数で他にも美味しいりんごがあったことが分かる

本記事では、元英会話講師の私が、英語の冠詞についてまとめました。冠詞は中上級者でも使いこなせている人が少ない、意外な落とし穴。ぜひこの機会にサクッとマスターしてしまいましょう!

本記事で本記事で分かること

・英語の冠詞とは?
・英語の冠詞の勉強法
・英語の冠詞の間違えやすいポイント
・英語の冠詞に関するQ&A

英語の冠詞とは?

まずは「冠詞」の定義を確認してみましょう。

冠詞とは、名詞と結びついて、その名詞を主要部とする名詞句の定性(聞き手が指示対象を同定できるかどうか)や特定性(特定の対象を指示しているかどうか)を示す要素である。
Wikipediaより)

なんだか難しそうですが、冠詞とは名詞の前について名詞の性質を表す役割を果たしています。

ここでは、冠詞の概要と例文についてみていきましょう。

英語の冠詞の概要

冠詞は名詞の前に置いて、下記のように使います。

a smart phone

an alligator

the man

種類は以下の3種類。

  • 冠詞「a」
  • 冠詞「an」
  • 冠詞「the」

冠詞「a/an」は「不定冠詞」、冠詞「the」は「定冠詞」と呼ばれ、それぞれ役割と使い方のルールがあります。

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「a/an」などの不定冠詞は、数えることができる可算名詞の前につけて使います。

それぞれ特徴を確認していきましょう。

冠詞「a」

冠詞「a」は、子音で始まる可算名詞の前につき、

  • 1つの〜
  • とある〜

というように「不特定の中の1つ」もしくは「特定しない何か/誰か」を表す役割をします。例えば、

I bought a kiwi.
(私はキウイを1つ買った)

では、キウイは多数売られている中の1つ、という意味。

I bought the kiwi.

の場合は「私は(どれが良いのか他のキウイとも比較して、これだ!と思ったその)キウイを1つ買った」というように、特定のキウイを表す意味になります。

冠詞「an」

冠詞「an」は、原則的に母音で始まる可算名詞の前につき、

  • 1つの〜
  • とある〜

というように「不特定の中の1つ」もしくは「特定しない何か/誰か」を表す役割をします。例えば、

Would you like an apple?
(りんごを1ついかがですか?)

では、不得意多数のりんごの中から1つ、という意味合いになりますね。「a」の場合と同じで

Would you like the apple?

となると「(話して同士がそのりんごについて話していて、その)りんごを1ついかがですか?」というように、話し手と聞き手が同じ1つの共通のりんごを認識しているというニュアンスとなります。

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「an」は原則的に母音名詞の前につきますが、例外的に「hour(アワー : 〜時間)」など「子音で始まっているが発音が母音の名詞」の前にもつきますよ。

冠詞「the」

冠詞「the」は、名詞の前について、下記のような役割を果たします。

物事を特定する the banana そのバナナ
世の中に1つだけであることを表す the moon
状況的に特定のものを指し示す pass me the water bottle そのペットボトル取って
文脈的に特定のものを指し示す I have a friend from Singapore, the friend said to me… 私にはシンガポール人の友達がいる。その友達が…
時間や空間などにまとまりを与える In the evening 夕方

また、名詞の中には「the」をつけてはいけないものもありますので、注意しましょう。

<「the」をつけない名詞>

・固有名詞(Kate, Rakutenなど)
・国の名前(Thailand, Japanなど)
・スポーツの名前(tenis, basketballなど)
・言語名(English, Japaneseなど)
・科目名(Math, Literatureなど)

英語の冠詞の例文

ここでは冠詞の例文についてみていきましょう。ぜひ声に出して例文を確認してみてください。

Could you borrow me a pen?
(ペンを1本お借りできますか?)

I stayed a hotel in Vancouver.
(バンクーバーのホテルに滞在しました)

A woman came to me and said “is there a bathroom?”
(とある女性が私に近づいてきて言った『お手洗いはありますか?』)

He clacked an egg and stirred it.
(彼は卵を1つ割ってそれをかき混ぜた)

It will take more than an hour to get there.
(そこに行くには1時間以上かかる)

To be an honest person is important.
(正直な人であることが重要だ)

Beautiful scenery is the reason why I like the town.
(美しい景色、それが私のこの街を好きだと感じる理由だ)

Look at the man over there!
(あそこにいる男性を見て!)

We may go to the moon someday.
(人類はいつか月へ行くようになるかもしれない)

英語の冠詞の勉強法

英語の冠詞を完璧に使いこなすことは、上級者であっても非常に難しいもの。ここでは、初心者の方が効率的に冠詞を学ぶための勉強法についてご紹介します。

英語の冠詞の勉強法

・不定冠詞と定冠詞を比べてみよう
・冠詞がもたらす音声変化を学ぶ
・簡単な英作文に挑戦

不定冠詞と定冠詞を比べてみよう

まずは「a/an」と「the」を比べてみましょう。例えば

Salary is a reason why I work here.

Salary is the reason why I work here.

では、それぞれの意味はどうなるでしょうか?

「a」を使った場合は「複数ある中の一つ」という意味になりますので、

給料は私がここで働く理由の一つです

となりますね。一方「the」はその理由を限定していますので、

給料それこそが私がここで働く理由です

というように「私がここで働く理由は給料しかない」という意味になってしまいます。

「a」と「the」の使い分けはこのように、文章の意味を大きく変えてしまうことがありますので、気をつけましょう。まずは、テキストの例文などについて

ここが「a/an」だったらどんな意味になるだろう?もし「the」だったら?

というように、立ち止まって比べてみると、不定冠詞と定冠詞の感覚が掴めるようになりますよ。

冠詞がもたらす音声変化を学ぶ

次はリスニング対策です。冠詞はそれ単体で発音されることは少なく、他の語と一緒になって音声が変化します。音声変化について知っておくとリスニングの時に役に立ちますので、この機会に覚えておきましょう。

例えば

I’ll take an appointment in the afternoon.
(私は午後アポイントを取ります)

という英文の場合「take an appointment」がつながって「ティカン アポイントメント」となります。

I’ll go downstairs and get a file.
(下の階に行ってファイルを取ってきます)

の場合も「get a file」の部分が「ゲラファイル」というように「ゲット」と「ア」が繋がって発音されるので注意しましょう。

音声変化について学びたい方には、下記の教材がおすすめです。

絶対『英語の耳』になる! 音声変化リスニング パーフェクト・ディクショナリー

簡単な英作文に挑戦

最後は簡単な英作文に挑戦してみましょう。例えば以下の日本語を英語にしたら、どのようになるでしょうか?

彼女は電車を1本逃してしまった

クッキーを1枚いかがですか?

1時間後に会いましょう

その本を持ってきてくれる?

日本語では「本」「枚」などの量詞がありますが、英語では冠詞をつけるだけでOK。それぞれの文章を英語にすると下記のようになりますね。

She missed a train.

Would you like a cookie?

I’ll see you an hour later.

Can you bring me the book?

書いた英作文は学校の先生や、英会話スクールの講師、ネットの添削サイトなどで、合っているか確認してもらうようにしましょう。

英語の冠詞の間違えやすいポイント

実は英単語には冠詞と一緒に使えない単語がありますので、注意が必要です。

冠詞と一緒に使えない単語
品詞 単語例
指示代名詞 this that theseなど
疑問代名詞 whose whichなど
不定代名詞 some any everyなど
数詞 one two threeなど
人称代名詞の所有格 my your ourなど
固有名詞の所有格 Tomoko’s Tom’sなど

例えば

This the apple pie is popular in the shop.

のように「this」と「the」を一緒に使うことはできません。この場合は「the」を文章から抜いて

This apple pie is popular in the shop.
(このアップルパイはこの店で人気だ)

とするか「this」を抜いて

The apple pie is popular in the shop.
(このアップルパイはこの店で人気だ)

としましょう。

英語の冠詞に関するQ&A

ここでは、英語の冠詞に関するよくある質問に答えていきます。

冠詞をつけない名詞にはどのようなものがありますか?

冠詞をつけない名詞は下記の4つです。

冠詞をつけない名詞
・不可算名詞(milk, waterなど)

・固有名詞(Goole, Amazonなど)
・季節(spring, summerなど)
・動詞の一部になっている名詞(go to restaurant, work at ABC officeなど)

まず、冠詞は可算名詞につくことが前提ですので、1つ目はOKですね。また、固有名詞や季節にも冠詞はつきません。

難しいのが「動詞の一部になっている名詞」という部分。例えば「子どもは学校へ行く」という英文は

Kids go to school.

となり、

Kids go to a school.

とはなりませんので注意しましょう。これは「学校へ行く」が名詞と動詞のセットで一つの動詞のように扱われているからです。

しかしこれは「school」には冠詞がつかないという訳ではありません。

Which one is your school?
(どっちがあなたの学校?)

My school is the big one.
(大きい方だよ)

というように、動詞の一部になっていない場合には、冠詞を付けることもあります。

そもそもどうして英語には冠詞があるのですか?

これはあくまでも学説の一説ですが、英語のように語順が厳格に決まっている言語では、冠詞を付けることで「未知のものなのか」「既知のものなのか」という事実を表そうとする傾向がある、と言われています。

逆に日本語のような、語順をある程度入れ替えることができる言語には、冠詞がありません。英語も中世以前は、語順を自由に変えることができたようですが、中世以降、語順の自由度がどんどん低くなっていき、その代わり冠詞が発達したようです。

「無冠詞」とは何ですか?

冠詞がつかない場合、その名詞を「無冠詞名詞」と呼びます。例えば固有名詞や可算名詞の複数形などには冠詞がつかず、無冠詞となります。例えば

Giraffes have long neck.
(キリンは首が長い)

など複数形の時は冠詞はつけません。

 

英語の冠詞をしっかり習得しよう

今回は英語の冠詞についてご紹介しました。最後に本記事の内容を簡単にまとめておきましょう。

本記事のまとめ

・冠詞は可算名詞の前に付ける
・冠詞には不定冠詞と定冠詞がある
・this, thatなどは冠詞と一緒に使えない
・無冠詞の名詞もあり!

冠詞は中上級者でも使いこなすのが難しい分野。感覚を掴むには、多くの例文に触れ、冠詞が文全体に与えている影響について考えてみましょう!