日本人は中学校や高校で長く英語を勉強しているにも関わらず、英語を話せない人が多いとよく言われますね。理由はさまざまですが、理由の1つに英語を話さなければならない場面に出くわさないということがあるのではないでしょうか。
英語のスピーキング力をつけたい。それならば、自ら英語を話す環境に身を置くことが重要です。とはいえ、周りに外国人の知り合いがいないなど、物理的に環境を作ることが難しい場合がほとんどですよね。
そこで、今回は元英会話講師の私がスピーキング力をつけるための勉強法をご紹介していきます。
この記事で分かること
・英語のスピーキング勉強法
・スピーキングのおすすめ教材
・やってはいけないスピーキング勉強法
英語スピーキングの勉強方法
スピーキングは、リーディングやリスニング同様、反復練習が不可欠。
レベルに合ったテキストで、一定の勉強時間を確保できれば必ず上達します。
おすすめのスピーキング法は以下の3つ。
- 中学レベルの文法を総復習
- 例文暗記型テキストの反復
- オンライン英会話を利用する
ここでは、おすすめの勉強法を3つご紹介します。
中学レベルの文法を総復習
スピーキング力を鍛えるには、まず中学レベルの文法を総復習することがおすすめです。スピーキングとはいえ、最低限の英語・英文のルールは頭に入れておく必要があります。
例えば、主語に対応する動詞を適切に選択する、過去・現在・未来の3つの時制を使い分けるなどがそれに当たります。
中学校や高校で英文法を勉強したと思いますが、英語を話すという観点から言えば、難しい文法知識は要りません。私達も日本語を話してはいますが、詳しい国語の文法は知らないケースが多いのと同じです。
書店に行けば、「中学英文法の総復習」「○○時間で終える中学文法」といった本が並んでいます。1日に何ページ進めるなどルールを決めて進めましょう。
テキストを1周するだけでは、十分な力は身につかないので、同じテキストを少なくとも3周はするのがおすすめです。
例文暗記型テキストの反復
文法を理解することは必要として、実際に使うフレーズを暗記してしまうことも効果的です。
「英文基本例文○○選!」のようなテキストには付属のCDがついていたり、最近ではケータイアプリでも同様のものが普及しています。日本語→数秒の間→英文という形で繰り返されるものが一般的です。
まずはCDを使わずに日本語と英語を見比べて、文法知識を元に英文を理解しましょう。意味のわからない英文を何度聞いても理解はできませんので、まずは英文を理解することが大切です。
その上で、日本語を聞き英語が瞬時に出てくるまで、何度も何度も繰り返しましょう。この何度も何度もというところがポイントで、定着するまでの回数や時間は人それぞれです。
何回やっても覚えられず嫌になることもあるでしょう。しかし、時間をかければかけるほど見返りも大きいです。英文のストックを増やせばそれだけ豊富な表現を用いてコミュニケーションが取れるようになります。諦めずに覚えられるまで繰り返していきましょう。
オンライン英会話を利用する
スピーキング力を鍛えたい方は、オンライン英会話を上手く活用しましょう。
オンライン英会話も年々普及してきました。比較的安価で、自分の好きな時間にオンラインで授業を受けられるようになってきています。
もちろんオンライン英会話と一口に言っても形態は様々で、フランクにおしゃべりをするようなものから、資格検定試験のスコアアップを念頭に置いたものまであります。目的を明確にして選択をしましょう。
どんな先生を選べば良いのか。結局のところ自分とフィーリングの合う先生を見つけることが上達の1番のポイント。オンライン英会話には無料体験ができるものもあるので、一度試してみることをおすすめします。

スピーキング力を伸ばすためのおすすめ英語教材5選
いざ書店に行っても、スピーキング力向上のためのテキストがありすぎてどれを選ぶべきか悩むはずです。
今回おすすめする教材は以下の5つ。
- ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100
- 話せる英語ドリル300文~Q-Leap式! 1日10文で始める・続ける
- 12週間で「話せる」が実感できる魔法のなりきり英語音読
- いきなり英語スピーキング ―日本語で考えないイラスト反射特訓
- 中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる問題集
目的を明確にし、自分の現在のレベルに合ったものを選ぶ必要があります。中学文法復習用テキストから本格的なスピーキング対策テキストに至るまで、以下で幅広くご紹介します。
CD付 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100 (スティーブ・ソレイシィの英会話シリーズ)
「ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100」はタイトルの通り、英会話のための必要最低限のフレーズを集めたテキスト。資格検定試験に向けではなく、純粋に英語を話せるようになりたいという人向けの入門テキストです。
海外旅行に行く際のハンドブック的な使い方もできます。100フレーズで足りるの?と思う人もいるかもしれませんが、入門としては十分です。
また、100フレーズをしっかりと覚えることは想像以上に大変です。語学学習は継続性が要求されます。早々に挫折してしまっては元も子もありません。
100フレーズ覚えれば応用も効き、多様な表現ができるようになります。1日10文など数を決めて、繰り返し繰り返し暗記をすることが大切です。
[音声DL付] 話せる英語ドリル300文~Q-Leap式! 1日10文で始める・続ける
音声アプリをダウンロードして使うテキストです。1日10文ずつという形で決して無理のない構成になっていますので、初心者でも使えます。
また、本テキストの最大の特徴は、イントネーションへのこだわりが随所に見られる点です。単なる暗記用のテキストに比べて、より実戦的と言えます。さらに、継続するためにはテスト形式など1つ1つクリアしていく形が勉強する側にとってはありがたいですが、本書はドリル形式になっています。
毎日のペースを守り、イントネーションも意識して進めて行くことで、達成感も得られます。1日1日ペースを守って進めて行きましょう。
(CD-ROM付) 12週間で「話せる」が実感できる魔法のなりきり英語音読
「12週間で「話せる」が実感できる魔法のなりきり英語音読」はとにかく英語を話せるようになりたいという人向けのテキストです。内容は中学1〜2年生の文法を用いた英文が載っていますので、抵抗感なく気軽に進めることができます。
逆に言うと、英文を見て半分くらい理解できないものがある場合には、もう少し下のレベルのテキストを選択した方が良いでしょう。
また、本テキストの内容をYouTubeで観ることができます。著者がYouTube配信も行なっていますので、そちらも参照しながら進めることができます。
(CD1枚&MP3音声無料DLつき) いきなり英語スピーキング ―日本語で考えないイラスト反射特訓
「いきなり英語スピーキング ―日本語で考えないイラスト反射特訓」はイラストベースで学んでいくテキスト。日本語に対応する英語を覚えていくという形ではなく、実際のシーンを想定したトレーニングが可能です。
ただし、レベルが高めなため使い方には注意が必要です。パート分けされているため、前半パートはサクサクと進められますが、後半は進むペースが落ちる可能性があります。
4コマのイラストを英文にするトレーニングパートでは、長い英文の作成が必要であるため、中学英語を超えた力が要求されるからです。
1冊全てをやり切ればかなりの力が付きますが、本テキストを始める前にイラスト形式の相性と後半のレベル感を確認することをおすすめします。
中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる問題集
スピーキングに特化したテキストではありませんが、中学英語の総復習が可能なテキストです。近年は英語の4技能化が叫ばれ、話す・聴く力の養成が急務となってきています。
そうした流れの中で、こうした「総復習」の類のテキストでもスピーキング部門に割かれるページ数が増えてきています。
使い方としては、はじめから進める必要は必ずしもありませんし、スピーキングに関連する例文暗記を重点的に進めても問題はありません。必要な部分から拾って取り組んでいきましょう。
1冊やりきれば、少なくとも中学レベルの文法知識は頭に入ったという自信の元に本格的なスピーキングトレーニングに入ることができます。
効率が悪くなる?やってはいけないスピーキング勉強法
英語は語学ですので、継続が何よりも大切。
しかしながら、継続の方向性を間違えると、時間をいくらかけてもなかなか効果が出ません。
おすすめしないスピーキング勉強法は以下の3つ。
- 意味もわからず例文を暗記する
- 使わないスラング表現ばかりを暗記する
- 文法の勉強に時間をかけすぎる
ここでは、やってはいけない勉強法をご紹介します。
意味もわからず例文を暗記する
会話表現でよく使うと言われまとめられている英文を、意味もわからず暗記するだけでは実際に話せるようにはなりません。
実際にその表現を使う場面も想定すると分かりますが、意味がわかっていなければ、利用すべき場面がわからないからです。
例文暗記型のテキストを使う場合には先述の通り日本語と英語が対称できる段階にまずは持って行く必要があります。
使わないスラング表現ばかり暗記する
使わないスラング表現など、少し特殊な表現ばかりを暗記することも非効率です。勉強をしていると、他の人が知らないような表現を知り、少しだけ得した気分、優越感に浸ることもあるかもしれません。
しかし、まずは基本的な表現、日本語で言えば「こんにちは」「さようなら」のような日常生活で頻繁に使う表現を覚えなければ、会話の幅は広がりません。もちろんスラングを覚えることも大事なのですが、日本語ベースでも良いので使える表現を覚えておきましょう。
文法の勉強に時間をかけすぎる
文法を完璧にしなければ会話はおぼつかないと考え、文法の勉強に時間を費やしすぎないように注意する必要があります。
私たち日本人の英語学習というと、文法や読解が中心です。大学受験で難関大に合格した人であっても英語を話せないということが示すように、スピーキングに高度な文法力は不要です。
先に挙げたような、サクッと文法を総ざらいできるものを使って、文法学習の段階でスピーキングの勉強に頓挫しないように気をつけましょう。
確実な方法で英語のスピーキング力を鍛えよう
今回はスピーキングの練習法についてご紹介しました。
スピーキング力は一朝一夕に身につくものではありませんが、正しい方法で必要な時間トレーニングをすることで、間違いなく向上します。
何を始めるにしても、はじめのうちは大変です。「英語が話せるようになりたいな。」と考えている人は日本中にたくさんいますよね。しかし、正しい方法が分からないという方は多いもの。
ぜひ本記事を参考に、効率的にスピーキングを練習してみましょう。