進学就職転職時に特技・資格という形で利用されるTOEICテスト。TOEICテストにはL&RテストとS&Wテストがありますが、よりメジャーなのは前者です。
L&Rテストは試験時間が2時間で990点満点です。より高いスコアをとるためには、リスニング・リーディングセクションともに高スコアをとる必要があります。
そこで今回は元英会話講師の私が、そのうちのリスニングセクション、かつPart1に絞りその対策方法を解説します。Part1で点数を取るためにはどのように対策をしたら良いのか?さっそくみていきましょう。
この記事で分かること
・TOEICリスニングPart1とは?
・TOEIC リスニングPart1勉強法
・TOEIC リスニングPart1対策におすすめの教材3選
TOEIC リスニングPart1とは?
リスニングセクションのPart1は写真描写問題で、全6題、流される音声は1回のみです。選択肢は4つですが、1文1文は短いため、テクニックを身につけることでより効率的に解くことができます。
写真と言っても、1人・2人・3人と人物が複数映っているものから景色の写真などさまざまです。もっとも、見るべきポイントを押さえ、模擬テストなどで練習を繰り返していけば、全問正解をすることも決して難しくはありません。
TOEIC リスニングPart1勉強法
では、Pat1対策ではどのように勉強をしていくことが効果的なのでしょうか。
一般的なリスニング力があったとしても、あらゆる英語検定で高スコアをとるためには、それぞれのテスト特有の出題形式に慣れるために訓練をすることが不可欠。
Part1対策では下記の5点がポイントです。
- 単語力をつける
- 発音・アクセントの勉強
- 先に写真をすべて見る
- 狙われそうなところに目星を付ける
- シャドーイング
ここでは、リスニングPart1セクションの勉強法についてみていきましょう。
単語力をつける
リスニングPart1に限らずですが、最低限の語彙力は不可欠です。その単語を見ても意味が分からなければ、聴きとることも当然できません。
TOEICテストは各種の英語検定と比べても、ビジネス英語に特化しているという特徴があります。高スコアの獲得には、中学校や高校で学んできたような一般的な英単語のほかに、ビジネス系の単語の知識もつける必要があります。
もっとも、リスニングセクションにおいて単語の知識ビジネス系単語力が要求されるのは後半パート。少なくともPart1においてはいわゆる基本的な単語知識が要求されるのみです。TOEIC対策用の単語帳を用いて最低限の単語知識を身につけましょう。

発音・アクセントの勉強
Part1でしっかり点数を取るには、発音・アクセントもきちんと身に付けるようにしましょう。単語の暗記とも重なりますが、発音やアクセントも意識して覚えていかなければいざ聴いた際に何のことかわからずに、せっかく覚えた単語も聴きとれないということも。
発音といえどもアメリカ英語・イギリス英語などにより異なりますし、アクセントも細かい部分まで勉強をするとなると大変。あくまでも聴きとれるレベルの知識が身につけば十分です。
単語を覚える際には、単にスペリングを見て覚えるのではなく、付属のCDやアプリを使って音声も聴くことで暗記を進めていきましょう。

先に写真をすべて見る
勉強法とは異なりますが、少し解法テクニックの部分もご紹介します。リスニングPart1でははじめに1分間サンプル音声が流れますが、この1分間を効果的に使いましょう。
Part1においてはサンプル音声が流れている間に、6つの写真をすべて見てしまいましょう。一度目を通しておくか否かで、正答率や解くスピードにもかなりの差が出ます。
TOEICではPart1に限らず、リーディングセクションに至るまで問題がすべて印刷されています。2時間という試験時間全体で見ても、いかに時間を効率的に使い、先へ先へと進めて行けるかが高スコア獲得のカギとなるでしょう。
狙われそうなところに目星を付ける
事前に写真に目を通すことはもちろん、聴かれそうなところを予測することも重要。もちろん予測したところが出されるかはわかりませんが、人物が何人映っているか、目が行きそうなところの背後に小さく映っているものは何かなど、写真全体に目を通し予測することが大切です。
各選択肢は1回ずつしか読まれないため、聴き直し・確認ができません。そのため消去法という形でぱっと選択肢を切っていく必要があるでしょう。
具体的な教材については後述しますが、問題数も限られています。さまざまな写真に対応できるよう、練習問題を多くこなしていきましょう。
シャドーイング
リスニング力をつけるとなると、勉強の対象となる文章を読み理解したうえで、何度も聴いて耳に慣れさせることが大切。同時にシャドーイングを通してリスニング力を鍛えていくことが必要です。
シャドーイングとは、音声を聴き聴いたそばから聴いた内容を口に出していくトレーニング方法を言います。
一般にスピーキングの勉強方法として紹介されることが多いですが、英語でのコミュニケーションはリスニングとスピーキングから成り立ちますので、両面であるリスニングにも効果的です。
口に出せるようになれば、当然聴きとることもできます。英語のスピードに慣れることは容易ではなく、やはり繰り返しのトレーニングは必要です。スピードに慣れるトレーニングの一環としてもシャドーイングを行い、効率よく力をつけていきましょう。
TOEIC リスニングPart1対策におすすめの教材3選
具体的な勉強法についてご説明しましたが、ご自身に相性の良いテキストを用いなければ、望む力を手に入れることは難しいでしょう。
TOEICリスニングPart1対策におすすめの教材は下記の3つ。
- 世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)
- TOEIC(R)TESTリスニングスピードマスター NEW EDITION
- [音声DL付]はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト全パート完全攻略
ここではPart1対策におすすめの教材を3つご紹介します。
世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)
ポイント
・Part別対策問題集
・狙われるポイント解説
・著者は受験界でも有名な講師
いざ対策をしようにも、多くのテキストはテスト全体を見越して模擬テストがついていたり、リーディングセクションも合わせた対策本になっていたりします。
一方本書は、リスニングセクション、しかもPart1‐4に特化したテキストとなっており、より効率的に勉強を進めることが可能です。著者は、大学受験英語の専門家として著名な方で、文法解説などに定評があります。
TOEICはビジネス英語に特化しているとはいえ、前述の通り基本的な語彙を知っているなど、中学校や高校で学んだような基礎知識が不足していては十分なスコアをとることはできません。
その点本書は、そうした点も加味しながら、基礎的なところからスタートし、若干テクニック的ですが狙われるポイントについても具体的に記載されています。
本書は、どこに目をつけるべきか、そのためにどのようにトレーニングをすべきかといった点を、順序だててわかりやすく学ぶことができる点でとても有用なテキスト。よくまとめられていますので、TOEIC学習の1冊目としておすすめです。
世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)
TOEIC(R)TESTリスニングスピードマスター NEW EDITION
ポイント
・解法が学べる
・リスニング特化のトレーニング
・模試付き
スピードマスターシリーズもTOEIC対策のテキストとしてとても定評があります。Part1のみの対策本ではありませんが、TOEICL&Rのリスニングセクションをいかに効率的に解くかについて、文字通りスピーディーに学ぶことができます。
1日2解法という形で、ノルマのようなものも課されているため、しっかりと順を追って達成感を持ちながら進めることができます。英語は語学である以上、継続的に勉強をすることが実力アップには不可欠。
特にリスニングにおいては、海外留学経験があったり、英会話教室に通ったことがある、外国人と触れ合う機会が多いなどの特殊事情のない限り、すぐには聴きとる力はつきません。
ある段階に達するとそこからは加速度的に理解も深まりますが、その段階に行くまでに挫折してしまう人が多いのも実情です。本テキストはその点も考慮し、よりスピーディーに学ぶことができる構成になっています。
本書は、リスニングセクションの全体像を見るという観点でもおすすめのテキストです。
TOEIC(R)TESTリスニングスピードマスター NEW EDITION
[音声DL付]はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト全パート完全攻略
ポイント
・パート別対策
・スコア別対策法
・完全模試付き
本書は音声ダウンロードもでき、より実戦的に学ぶことができる一冊です。
TOEICは990点満点で、リスニングセクションは半分の495点満点ですが、トータルスコア600点をとることもはじめのうちは難しい試験。本テキストでは、600点、730点を以下に狙うかという点に着目し構成されています。
もちろんPart1、リスニングセクションで点数をとれるだけでは、600点や730点といったスコアには到達しません。
しかしながら、パート別の対策を通して、そうした点数をとる具体的なイメージを持つことができます。模擬試験もついていますので、最終チェックという形で時間を計って活用しましょう。
[音声DL付]はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト全パート完全攻略
TOEIC リスニングPart1には単語対策が大事!
今回はリスニングセクションPart1の対策法について解説をしました。冒頭でも書きましたが、TOEICはビジネス英語に特化しているとはいえ、Part1で出てくる語彙はどれも学生時代に習ったことのあるような基本的な表現がほとんど。
まずは、そうしたものの復習もかねて、基本的な単語帳で語彙を暗記することが大切です。また、TOEICもテストである以上、解き方・テクニックも存在しますので、しっかりポイントを押さえておきましょう。
ぜひ本書を参考に、効率的にTOEICリスニングPart1対策を行なってみてください。
