
TOEIC L&Rはよく聞くけど、TOEIC S&Wってなんですか?

TOEIC S&Wを受験したいのですが、おすすめの教材はありますか?
本記事はこのような疑問をお持ちの方に向けて書いていきます。
日本でメジャーなテストであるTOEICテスト。英語4技能(読む・書く・話す・聴く)と言われますが、TOEICテストはリーディング・リスニング力を試すものと、スピーキング・ライティング力を試すものとがあります。
どちらかと言えば、前者のリーディング・リスニングを試すL&Rテストが広く知られていますが、近年はビジネスにおいてもスピーキング・ライティングのスキルが求められていますよね。
そこで今回はS&Wテストの概要やL&Rテストとの違いについて解説していきます。
TOEIC S&Wテストが気になっている方はぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
・TOEIC S&Wテストとは?
・TOEIC S&Wテストおすすめ教材
TOEIC S&Wテストとは?
スピーキング・ライティングの力を測るというと、メジャーな英検を思い浮かべる人が多いでしょう。
英検では、3級以上の2次試験でスピーキングテストが課され、ライティングについても1次試験において実際に用紙に記述する形でテストが行われます。
これに対してTOEICテストでは、スピーキングテストは音声の吹きこみ、ライティングテストはタイピング形式。対面ではなくPCを通しての受験が必要です。
PCを通してのテスト形式ですので、スピーキングであれば音声速度に沿ってすばやく答えるトレーニングが、ライティングであればタイピング速度が要求されます。
すなわち、今までの一般的な英語のテストに向けての勉強法が通用しないことがありますので、純粋な英語力のみならずTOEICのテスト形態に合ったトレーニングが必須。
試験の結果は合格・不合格ではなく、10点刻みのスコアで出されます。スピーキング・ライティングが各200点で合計400点満点です。
より具体的には、 Proficiency Level Descriptors(能力レベル別評価)があり、スピーキングは8段階、ライティングは9段階で評価されます。
さらにスピーキングでは、Pronunciation(発音)と Intonation and Stress(イントネーションとアクセント)が HIGH、MEDIUM、LOW の3段階で評価されます。
それぞれの点数の目安を表にまとめましたので、参考にしてください。
レベルの目安 | CEFRとの比較 | 英検との比較 | |
スピーキング50点〜 | 基礎段階の言語使用者 | A1 | ー |
スピーキング90点〜 | 基礎段階の言語使用者 | A2 | 準2級合格 |
スピーキング120点〜 | 自立した言語使用者 | B1 | 2級合格 |
スピーキング160点〜 | 自立した言語使用者 | B2 | 準1級合格 |
スピーキング180点〜 | 熟達した言語使用者 | C1 | 1級合格 |
レベルの目安 | CEFRとの比較 | 英検との比較 | |
ライティング50点〜 | 基礎段階の言語使用者 | A1 | ー |
ライティング90点〜 | 基礎段階の言語使用者 | A2 | 準2級合格 |
ライティング120点〜 | 自立した言語使用者 | B1 | 2級合格 |
ライティング160点〜 | 自立した言語使用者 | B2 | 準1級合格 |
ライティング180点〜 | 熟達した言語使用者 | C1 | 1級合格 |

TOEIC S&W50点〜の目安
英検でいうと準2級合格前段階ですので、中学生レベルの実力で取れるスコアとなります。スピーキング・ライティング問わず、基礎知識としての文法事項のインプットが要求されますが、それも中学生レベルですので、そこまで範囲や分量も多くはありません。
スピーキングであれば、コミュニケーションとしてまずは相手方の言うことを聴きとる必要がありますが、この程度のスコアの場合、まず相手方の言うことを聴きとれないというレベル。
日常会話においても難しいレベルとも言えます。
ライティングについては、文法を理解をしていたとしても、それを書くというレベルには達しておらず、仮に自分の意見を表明したり、何らかの情報を他人に提供することを想定すると、まだまだ不十分なレベルだと言えるでしょう。
TOEIC S&W90点〜の目安
英検でいうと準2級合格程度ですので、中学校後半から高校前半にかけてぐらいのレベルです。
スピーキングですと、意見の表明や複雑な要求に対する返答がある程度はできるレベルですが、あくまでもある程度というレベルにとどまり、場面に応じて的確かつ文法的にも正しい返答ができるレベルにはありません。
ライティングであれば、情報を部分的に伝達することができますが、重要な情報を書き落としたり、文章の展開が不十分で、語句の使用に誤りが見られることもあるでしょう。
英語の総合力という点でも、基礎となる文法知識や語彙力が不十分なため、上積みができず安定して試験においてもパフォーマンスを発揮できないと言えます。
TOEIC S&W120点〜の目安
英検でいうと2級合格程度ですので、高校範囲全般となります。
文法や語彙についてもそれなりのレベルとなっていますので、必然的にTOEICでのスコアも上昇してきます。スピーキングですと、基本的な表現についてはできますが、細かい部分で文法や語彙に誤りがあるというレベルです。
ビジネスなどより堅い英語が要求される場面では不十分と言えますが、日常会話であればスムーズに言葉のキャッチボールができる段階にあると言えます。
ライティングであれば、こちらも同様に、しっかりと自分の意見を表明できるレベルにはあると言えるでしょう。
自分の主張をさまざまな表現方法で表すことができるレベルにも入りつつありますので、基礎がしっかりとしている分、さらなる上積みも期待できます。語彙力をさらにつけるなどし、さらなるスコアアップを目指しましょう。
TOEIC S&W160点〜の目安
英検でいうと準1級合格レベルですので、かなりの英語力と言えます。このレベルになると、TOEICのみならず、各種の英語検定やテストで高得点をとることができる下地ができていると言えます。
スピーキング・ライティング共に、文法的にもほぼ誤りのない表現が的確にできるレベルにあります。より上のスコアを目指すとなると、
- 実戦的なトレーニング
- タイピングスピードを上げる
などTOEICのテスト形態に合わせた勉強をしていくことが必要となります。
TOEIC S&W180点〜の目安
英検でいうと1級合格レベルですので、英語力としては最高レベルです。
スピーキングであれば、意見の表明や複雑な要求への応答をとてもわかりやすい表現でできる、かつ基本的な文法から複雑な文法まで使いこなし、語彙・語句の使用も的確であるというレベルにあります。
ライティングでも自らの主張の根拠なる事項についてもしっかりと正確に記述し、文法的にも正確な文章を書くことができるレベル。
このレベルになりますと、英語を使った仕事、さらにはかなり専門的な仕事に就くことができるでしょう。
海外での駐在や、外国人を相手にする仕事でも力を発揮できるレベルだと言えます。
TOEIC S&Wテスト対策におすすめの教材3つ
今回ご紹介するおすすめ教材は以下の3つ。
- TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策
- TOEIC Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題
- 頂上制覇 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング 究極の技術
TOEICS&Wテストは出題形式が特殊なため、良いテキストを選ぶことがスコアアップにつながります。
それではさっそく教材を詳しくみていきましょう。
TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策
ポイント
・実力のセルフチェック
・設問別攻略法
・模擬テスト
特殊な試験形態に対してどのように対策をしていけばよいかについて学べる教本。はじめの1冊として有効です。
テキストは自分のレベルに合い、継続して取り組むことできるものでなければなりません。本書はまず実力のセルフチェックと題し、現在の実力を客観的に測ることができるテストのようなものがあります。
本書を利用すれば、今後どの力を優先的につけていくのかにつき明らかにすることができるでしょう。その上でまずは、全体を通してではなく、各設問につきどのように解くべきかというトレーニングをしてください。
テクニックというと大袈裟ですが、やはり目をつけるべきポイントなど、テスト形式によってスコアアップの秘訣は存在します。最後には模擬テストもついているので、より実戦を意識してトレーニングをすることができます。
TOEIC Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題
ポイント
・公式問題集
・模擬テスト
・テスト開発者制作の解答例
TOEIC公式問題集。公式ということでより本番に近い内容となっており、実践的なトレーニングをすることができる一冊です。
模擬テストが5回分収録されている形ですが、単に問題を解くための作られてはおらず、各設問の解法や、特徴につき詳細に記述されています。また、S&WテストはL&Rテストと異なり、マークシート方式ではないため、採点を自分で行なうことが難しいと言えるでしょう。
解答もさまざまに考えられるため、自学自習が難しいという現実も。
本書は、テスト開発者が解答例を作ってくれていますので出題者の意図を加味した解答が例として示されますので、どういった解答を作ればよいのか、ポイントはどこにあるのかなどを具体的に知ることができます。
公式問題集で完成度もとても高いので、S&Wテストに向けた勉強の1冊目として用いることは得策ではなく、まずは設問パート別に傾向と対策を学べるテキストを使うのがよいでしょう。
試験本番前の最終確認や、勉強が進んできて、トータル的な対策をしたい場合に有効なテキストです。
TOEIC Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題
頂上制覇 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング 究極の技術
ポイント
・点を取るためのテクニックが多数掲載
・模擬試験2セット
・豊富な解答例
本書は満点を目指すとも記述されており、初心者向けというよりは、テクニック含め高度な技術を学び、より高スコアをとるためのテキストです。
かなり実戦的な内容になっており、S&Wテストの出題形式に対し、どのような解答が高得点につながるかが詳細に書かれています。
先にも述べましたが、TOEIC S&Wは自己採点が難しく、解答パターンも複数考えられますよね。出題者の意図を組み、さまざまなアプローチができる応用力が要求されます。
本書は勉強が進み、それなりのスコアをとれるようになった人が、さらなるレベルアップのために用いる一冊です。
頂上制覇 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング 究極の技術

TOEIC S&Wアウトプット力を試すのに役立つテスト!
今回はTOEIC S&Wについてご紹介しました。
TOEICS&Wテストは、よりアウトプット重視のテストですので、日常会話のみならず、ビジネスや仕事における英語でのコミュニケーションを見据えた力をつけることができます。
TOEICは合格不合格で判定されず、細かく評価されますので、勉強を継続するモチベーションも保ちやすいでしょう。
英語は語学である以上、継続が何よりも大切です。S&Wテストは出題形式も特殊ですので、基礎力をつけ、設問別の対策をすることはもちろんのこと、タイピングの練習をするなどして、本テストならではの形式でも高スコアをとれるようトレーニングをしていきましょう。
